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「これまでの『薔薇の人』」

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(d-倉庫スペシャルインタビューに記載したテキストより、黒沢による作品解説)

こんなに自分で作品を解説してしまっていいものか疑問です。お客様にはせっかく想像していただいた多面な角度があるかもしれないのに、解説したら自ら枠を作って固めているようです。信じ過ぎないようお願いします。常にいつも解説していく事はダンスであろうと重要です。他者に解説されるくらいなら、ワタシがやります!という母心のような気持ちです。どれも身を削り溺愛しています。


「−覗く−」
1999.12(テルプシコール・東京/トリイホール・大阪)
過激な2時間の長編ソロ。黒沢美香 遅まきの本格ソロダンス デビュー作品。部屋の隅から隅までまんべんなく雑巾がけをすることとゴムチューブで独り緊縛をする。

「−ROLL−」
2000.08/ 2002.01-02/ 2006.01(神楽坂 die pratze・東京)
回転・転がる・巻く・回す、とタイトルの通り単純に <回る> ことのみを題材に展開する。その単純さが複雑な構成によって幾つもの迷路の部屋に変化していく。

「−蝸牛の劇場−」
2001.08(テルプシコール・東京)
隅から隅まで何もかもを測量、測定していくが為に生まれるダンス。場は世界となり世界がダンスで満ちる過程をぬめぬめと濡らしていく。「薔薇の人」としては珍しく物も作業もなく、裸一貫で試みた。

「─桃の園─」
2003.03(シアターX・東京)
シリーズ初の劇場スタイル(プロセミアム)背景と初のデュエット(澤 宏)。「踊りの園」で遊び殺人に至る童話。

「─HAWAII─」
2003.09(神楽坂 die pratze・東京)
労働/運動/作業/ダンス、丸太切り/ダンス
目的は行為を達成する事にあるのではなく、踊りが積み重なる時間を共に過ごす事にある。太陽と水、人間の営みとして唄い労働する楽園としての虚構ハワイ。ノコギリで丸太を2本切るのは喧々囂々。その後切った丸太を吊るし鼻先三寸スレスレで躱す。退屈とスリル漲るアローハ。

「─めまい─」
2005.03(ギャラリー ルデコ・東京)
渋谷のギャラリーにある歪な部屋の形がこの作品の特徴で基地である。部屋に大きな机を据えてそこで毎夜地球の報告書を書いては銀河に発信した。地球人のことならなんでも観察していた。ただ、時々めまいが起きて任務が滞る騎士の行動。

「─登校─」
2007.02(テルプシコール・東京)
超少女は毎朝早起きで学校に行く気満々なのだが、家の外に出てみると学校に行くことはきれいに忘れてしまう癖がある。目の前の事物に誘われ、のどかで激しい寄り道。そしてまた夕方になった今日も。

「─牛─」
2008.03/ 2008.11(セッションハウス・東京)
牛になるのではなく、牛が持つ大きさ寛容さ愚鈍さ力強さ明るさ単純さにテーマはある。それをアトムと見立て、お茶の水博士(野口実/音)と離別する未来ファンタジー。

「─早起きの人─」
2010.02(テルプシコール・東京)
家畜の世話、洗濯、掃除、食事(栄養)で朝からくるくる忙しいのは、地球救済運動の歌舞音曲を午後の定時に必ず発信するためである。その為に生きている。その為に孤立している。早起きなのではなく眠らない人なのであった。

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