怠惰に掛けては勤勉な黒沢美香のソロダンス 「薔薇の人」
不思議なもので身体から「ダンス」が漏れ出すと、その時点から空間に花が咲き出す。当の本人の身体はそれ迄とは別人で、花の精に化し たようになるのだが、いつもそう思う。誰が踊ってもそう見える。そこで「ダンス」を「花」と譬え、花の中でも豪華で馨しい魅惑に満ちた代表ともいえる薔 薇を花の代名詞とし、タイトルの「薔薇の人」とは言い換えれば「ダンスの人」、ダンスする人そのものである。 ここでモチーフとなっているのは「無為」を 謳歌することだろうか。勤勉と怠惰、溺愛から放棄、羞恥と溶解、混濁と清潔、と言う言葉が対で思い浮かぶが、それらの両層に片足づつ浸しながら部屋中を歩き回るダンス、と言える。(黒沢美香・記/99年)
Photo: Motoko Kamata
「薔薇の人」 シリーズ化になる以前の足取り
1998/11 | 「薔薇の人」(30min) (「日韓ダンスフェスティバル」にて) @文芸会館小ホール/ソウル |
1998/06 | 「薔薇の人」(30min) (「TANZ FESTIVAL NRW」にて) /デュッセルドルフ |
1997/08 | 「薔薇の人」(60min) (「ダンス・白州 」にて) /山梨 |
1997/03 | 「薔薇の人」(30min)【初演】 (「3600秒の光II」にて) @湘南台文化センター/神奈川 |
シリーズ「薔薇の人」
「薔薇の人」はソロダンスであるが、アイカワマサアキ(照明)、椎啓(音響)、平岡久美(制作)等との共同作業といえる。
2014/08 | 「薔薇の人 deep」 @大倉山記念館/横浜 |
2014/01 | 「薔薇の人 メリー・ジェーン」 @門天ホール/東京 |
2012/12 | 「薔薇の人 鳥図」 @テルプシコール/東京 |
2012/02 | 「薔薇の人 南国からの書簡」「南国からの書簡~旅立ち~」@d-倉庫/東京 |
2010/09 | 「薔薇の人 南国からの書簡」@d-倉庫/東京 |
2010/02 | 「薔薇の人 ―早起きの人―」@テルプシコール/東京 |
2008/03 | 「薔薇の人 ─牛─」 @セッションハウス/東京 |
2007/02 | 「薔薇の人 ─登校─」 @テレプシコール/東京 |
2006/01 | 「薔薇の人 ─ROLL─」再再演 @神楽坂die pratze/東京 |
2005/03 | 「薔薇の人 ─めまい─」 @ギャラリールデコ/東京 |
2003/09 | 「HAWAII」 die pratze ダンスが見たい!フェスティバルにて @神楽坂die pratze/東京 |
2003/03 | 「薔薇の人 ─桃の園─」 @シアターX/東京 |
2002/01-02 | 「薔薇の人 ─ROLL─」再演 @神楽坂die pratze/東京 |
2001/08 | 「薔薇の人 ─蝸牛の激情─」 @テルプシコール/東京 |
2000/08 | 「薔薇の人 ─ROLL─」 die pratze ダンスが見たい!フェスティバルにて @神楽坂die pratze/東京 |
2000/05 | 「薔薇の人 -覗く-」(抜粋) Movement Research’s Monday Performanceにて @Judson Memorial Church/NY |
1999/12 | 「薔薇の人 -覗く-」 @テルプシコール/東京,@トリイホール/大阪 |