「偶然の果実」
thanks to 出口→ (※1990年3月~1997年9月の第31回までは横浜ST spotにて定期上演)
前略
十有余年、41回を数える『偶然の果実』はその第1回目からただただ一貫、「何 でもアリ」の「何でも」とは何だったのだろうか、と芸もなく問い続けてきた行動の 歴史であると思う。個人的には、まったく苦戦であったという感触を有しているし、 一部観客(?)からは「無駄だからよせ」だの、「(ごひいきの)某出演者氏に無礼 である」だのという非難も頂戴してきた。が、概ね、一度でも出演した(参画した) ダンサー諸氏からは、余程のボンクラでもないかぎり、そこにある<問い>を(その 質感を)共有できたという確信があるし、そのことを、個人的には誇りと感じている。 ここは常に、お互いダンサー同士の交感の場で(のみ)あったのであり、その意味で、 社会的には客席と規定される場所に座していた、決して少なくない数の<ダンサー> 諸氏との出合いを、斯く続けられたことは幸福だった。この『lonely woman』が目下、 『偶然の果実』にとって文字通りの<象徴>的プログラムとなり得ているのは《私は (君は)動かない(かもしれない)》という四肢そのものによる宣言が、かの<交感 >にとっては、まったく端的に率直なものであったからだ、と考えている。 ほぼ年1回のペースで通算10回目にあたる今回もまた、私には真摯に畏怖の念を 覚えることのできる、十ニ人(+α)の優れたダンサー諸氏から、《動かない》とい う「お約束」に対して、ニンマリと会心の微笑を返して戴けたことに感謝したい。否、 寧ろ、改めて心から敬意を表したいと思う。優れたダンサーというものは、例外なく、 鋭利な人々なのだ。かつまた、そのことは曖昧模糊とした経済関係のもとで、幾許か の金子を支払って、社会的に「客席」と称される場所から、(同じく)《動かない》 ことを(同じく)宣言される(同じく)ダンサー諸氏とて事情は変わらない。 さて、いることが<ダンサー>である皆さん、ほんの2時間と少し、鋭角の、カド のところでお会いしましょう。
草々
「偶然の果実」の会 出口→拝
公演一覧
2002年 | #44 | 11月18日 「花肉氣象鎖圖」 大倉山記念館ホール/横浜 |
#43 | 5月1日 「lonely woman」 大倉山記念館ホール/横浜 | |
2001年 | #42 | 12月11日 「花肉氣象鎖圖」 大倉山記念館ホール/横浜 |
#41 | 4月3日 「lonely woman」 大倉山記念館ホール/横浜 | |
2000年 | #40 | 12月26日 「花と肉と大気の象」 大倉山記念館ホール/横浜 |
#39 | 6月30日 「花肉氣象鎖圖」 川口現代美術館スタジオ/川口 | |
番外編 | 6月29日 「謎のパフォーマンス大会」(サラ・ミッチェルソン(from NY)を迎えて) 川口現代美術館スタジオ/川口 | |
#38 | 3月24日 「lonely woman」 ムービング・アース・スタジオ/東京 | |
1999年 | #37 | 9月26日 「擲顛転など」 BIWAKEIスタジオ/東京 |
#36 | 3月12日 「lonely woman」 大倉山記念館ホール/横浜 | |
1998年 | #35 | 9月13日 「擲顛転」 BIWAKEIスタジオ/東京 |
番外編 | 7月5日 「BOXUS」(ダンス風発DANCEのだの字 ’98 DANCE風発UNIT) メルパルクホール/東京 |
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#34 | 6月19日 「花肉氣象鎖圖」 大倉山記念館ホール/横浜 | |
#33 | 3月29日 「lonely woman」 BIWAKEIスタジオ/東京 | |
1997年 | #32 | 12月25日 「BOXUS」Studio80/東京 |
#31 | 9月16日 「UNACOMPANIED」 | |
#30 | 6月10日 「花肉氣象鎖圖」 | |
#29 | 3月4日 「lonely woman」 | |
1996年 | #28 | 12月10日 「木苺の小径」 |
#27 | 9月10日 「些細で遥かな旅行とその一日」 | |
#26 | 6月11日 「花肉氣象鎖圖」 | |
#25 | 3月12日 「lonely woman」 | |
1995年 | #24 | 12月12日 「Rock’n’Roll」 |
#23 | 9月5日 「UNACOMPANIED」 | |
#22 | 6月13日 「BOXUS」 | |
#21 | 3月28日 「lonely woman」 | |
1994年 | #20 | 12月13日 「愛のデュエット」 |
#19 | 9月6日 「分布する水番人」 | |
#18 | 6月14日 「UNACOMPANIED」 | |
#17 | 3月8日 「jazz-dance」(ここで何故かz数が戻っているが理由不明) | |
1993年 | #16 | 12月14日 「渦と場所」 |
#15 | 9月7日 「砂漠の航路」 | |
#14 | 6月8日 「UNACOMPANIED」 | |
#13 | 3月9日 「lonely woman」 | |
1992年 | #12 | 12月8日 「mode’n dance」 |
#11 | 9月8日 「model’n dance」 | |
#10 | 6月5日 「jazzz-dance」 | |
#9 | 3月10日 「jazz-dance」 | |
1991年 | #8 | 12月5日 「lonely woman」 |
#7 | 9月26日 「無為のユニゾン」 | |
#6 | 6月22日 「上の部屋」 | |
#5 | 3月30日 タイトル無し(後の「singsingsingsing」原型) | |
1990年 | #4 | 12月1日 タイトル無し(後の「jazz-dance」原型) |
#3 | 9月29日 タイトル無し | |
#2 | 6月15日 タイトル無し | |
#1 | 3月10日 タイトル無し |
「偶然の果実」に参加した人々
青木淳、秋田昌美、明乃、荒木順、有本有美子、有森静、石川崇志、石川弘幸、イシ デタクヤ、ichi、石丸緑一色、井上摂、伊藤多恵、戎一郎、遠藤寿彦、太田恵介、大 橋めぐみ、オガワユカ、大和田有、岡時彦、岡本純子、唐沢克彦、川口隆夫、カワグ チタケシ、川野眞子、木佐貫邦子、北川美和子、クリタチカコ、黒沢美香、越川知尚、 小林嵯峨、小林美沙緒、小林由香、斎藤清美、斉藤久美、斉藤直子、サエグサユキオ、 坂井原哲夫、サクダ陽子、Sarha Mitchelson、坂本容志枝、澤宏、椎啓、椎名利恵子、 篠まさみ、渋谷英文、清水唯史、白岩タロー、鈴木更紗、鈴木百合子、須田直子、砂 山典子、SEIDO、雪駄、高貝弘也、高野尚美、高橋朋子、高見亮子、武井よしみち、 武田英子、武元賀寿子、TAMA、玉内集子、田村彩、千葉真由美、塚原恒太郎、堤武秋、 千野秀一、妻木律子、手塚夏子、出口→、出口洋介、土井教義、戸部有美子、ともじ、 新美佳恵、西脇さとみ、ノムラヒハル、法水麟太郎、野和田恵里花、花沢由里子、萩 原富士夫、長谷川謙一郎、原口佳子、林太一、平岡久美、平松み紀、ひよこ男爵、深 谷正子、藤本なほ子、降矢木隆、星野江里加、細谷清子、万城目純、溝端俊夫、村田 いづ実、室野井洋子、森田恭章、矢尾伸哉、矢作厚生、山田せつ子、ユウコ、湯川文 子、尹明希、吉沢恵、吉福敦子、蓬澤太士、Martin Richardson、りな・りっち、竜崎克巳
(1990年第1回~2002年第44回)